固定残業代とは?

「固定残業代」制度とは、実際の残業の有無にかかわらず、賃金の中に一定時間分の残業代を含んだものとする賃金の支払い方です。

原則として、残業代(時間外労働手当)は、実際に残業した時間分の賃金を本来の賃金(基本給や各種手当など)とは別に算定し支払うこととなりますが、固定残業代制度では、あらかじめ定められた時間分の残業代は、実際の残業時間が定められた時間に満たなくても、定額で賃金として支払っていく制度です。
労働者に対して「賃金総額○○円(ただし30時間分の残業代を含む)」と提示して契約を締結した場合、月の残業時間が20時間であっても、30時間分の残業手当を支払うという方法です。

しかし、この制度を「どれだけ残業しても固定残業代以外は残業代を支払わなくてもよい」というような誤った認識をお持ちの経営者の方がいらっしゃいます。
固定残業代を支払っているからと言って、それ以上の残業代を支払わなくても許されるわけではなく、先述の例で言えば、実際に残業時間が30時間を超えてしまったのであれば、越えた労働時間分の残業手当は固定残業代とは別に支払わなければなりません。

最近は、従業員さんが退職後に未払残業代を請求してくるというケースが増えているそうです。
その場合、未払残業代に遅延損害金や付加金がかかる場合もありますので、未払い残業代の発生を防ぐためにも、法律に則った残業代の支払いができてきるかどうか、一度、社労士さんにご相談されることをおすすめいたします。

賞与を支払ったら

従業員に賞与(ボーナス)を支払ったときには、会社は必ず「賞与支払届(被保険者賞与支払届)」を提出しなければなりません。

賞与支払届は、賞与の支給額を提出し、保険料を納付するために必要な書類です。従業員にとって将来の年金受給額にも影響する重要な書類ですので、忘れずに手続きを行ってください。

賞与支払届はボーナス支給後、原則5日以内に日本年金機構へ提出します。

郵送のほか、電子申請や電子媒体による提出も可能です。

賞与支払い予定月における賞与支払いの事実を確認し、賞与を支給していれば賞与支払届の提出が必要ですが、支給していなければ提出書類は「賞与不支給報告書」となります。

賞与支払届の記入対象者は、役員を含めた社会保険の被保険者と、70歳以上の被用者です。アルバイトなどで社会保険に未加入の場合は、記入対象にはなりません。

事前に日本年金機構または加入している健康保険組合に登録している場合は、賞与支払い予定月の前月になると、賞与支払届が各企業に送付されてきます。被保険者番号や氏名、生年月日、種別などが印字されているので、内容を確認し、印字されていない従業員がいる場合は、手書き等で追加してください。

次に、賞与の支給額をもとに保険料を算出しますが、賞与から控除する保険料は、「健康保険料」「厚生年金保険料」「雇用保険料」の3つです。

40歳以上65歳未満の介護保険の第2号被保険者は、健康保険料に介護保険料が上乗せされます。

また、賞与からは社会保険料の他にも所得税が控除されますが、控除額の計算方法や料率はそれぞれ異なります。

煩雑になりがちな計算を効率化するには、給与計算ソフトの利用がおすすめです。

賞与支払届を提出後、「標準賞与額決定通知書」と「保険料納入告知額・領収済額通知書」が発送されます。標準賞与額決定通知書は会社で保管してください。

また、保険料納入告知額・領収済額通知書が届いた月の末日までに、保険料を納付します。通常の標準報酬月額の保険料と合わせて納付することになるため、忘れないよう注意してください。

参考:日本年金機構

源泉所得税及び復興特別所得税の納付期限と納期の特例

源泉徴収した所得税および復興特別所得税は、原則として、給与などを実際に支払った月の翌月10日までに国に納めなければなりません。

ただし、給与の支給人員が常時10人未満の源泉徴収義務者は、源泉徴収した所得税および復興特別所得税を、半年分まとめて納めることができる特例があります。

これを納期の特例といいます。

この特例の適用の対象となるのは、給与や退職金から源泉徴収をした所得税および復興特別所得税と、税理士、弁護士、司法書士などの一定の報酬から源泉徴収をした所得税および復興特別所得税に限られています。

この特例の適用を受けていると、その年の1月から6月までに源泉徴収した所得税および復興特別所得税は7月10日、7月から12月までに源泉徴収した所得税および復興特別所得税は翌年1月20日が、それぞれ納付期限となります。

この特例の適用を受けるためには、「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」を提出することが必要です。

この申請書は随時提出することができ、申請書を提出した月の翌月末までに通知がなければ、申請の翌々月の納期分からこの特例が適用されます。

例えば申請書の提出が2月の場合、2月支給分の給与の源泉所得税の納期限は3月10日、3月から6月支給分の納期限は7月10日になります。

なお、給与の支給人員が常時10人以上となり、源泉所得税の納期の特例の要件に該当しなくなった場合は、「源泉所得税の納期の特例の要件に該当しなくなったことの届出書」を提出することが必要です。この届出書を提出した場合には、その提出した日の属する納期の特例の期間から所得税法第216条に規定する納期の特例の承認の効力が失われます。

例えば3月中に届出書を提出した場合、1月、2月支給分の給与の源泉所得税の納期限は4月10日、3月支給分は4月10日、4月以後支給分は翌月10日が納期限になります。

納期の特例ですが、毎月納付する手間は省けますが、半年分をまとめて納付するため多額の資金を要しますので、申請するかどうかは慎重にご検討ください。
源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書を提出されている事業者様は来月が納期限になります。
6月分の給与計算が終わりましたらお早めに納付のご準備をされてください。

給与から差し引く所得税

給与計算をするときは、会社や事業主が所得税を差引いて納付します。

この所得税を計算する際には、国税庁の源泉徴収税額表を使いますが、給与計算ソフトを使う場合には自動で計算されます。

しかし、給与ソフトに従業員さんの情報がきちんと入力されていなければ、間違った税額が算出されてしまいますので、給与計算をされる方は源泉徴収税額表の仕組みを理解されることをおすすめします。

源泉徴収税額表はこちらでご覧いただけます。

今回は扶養控除申告書を会社に提出している場合の「甲欄」でご説明します。

ポイントは

その月の社会保険料等控除後の給与等の金額とは、総支給額から社会保険料を差し引いた金額です。

その月の社会保険料等控除後の給与等の金額扶養親族等の数になります。

社会保険料は、健康保険料、介護保険料、厚生年金保険料、雇用保険料の合計金額です。

また、総支給額に非課税の通勤手当の項目が入っている場合は、その金額も差し引いて計算します。

その月の社会保険料等控除後の給与等の金額が計算できましたら、その金額を源泉徴収税額表に当てはめて、扶養親族等の人数に該当する金額を源泉徴収します。

「扶養親族等の数」とは、源泉控除対象配偶者と控除対象扶養親族(老人扶養親族又は特定扶養親族を含みます。)との合計数をいいます。

また、給与等の支払を受ける人が、障害者、寡婦、ひとり親又は勤労学生に該当する場合には、これらの一に該当するごとに扶養親族等の数に 1 人を加算し、その人の同一生計配偶者や扶養親族(年齢16歳未満の人を含みます。)のうちに障害者又は同居特別障害者に該当する人がいる場合には、これらの一に該当するごとに扶養親族等の数に1人を加算した数を扶養親族等の数とします。

こうして計算された源泉所得税は、原則として、給与などを実際に支払った月の翌月10日までに納付してください。

ただし、給与の支給人員が常時10人未満の場合は、半年分まとめて納めることができる特例がありますので、また次の機会にご説明します。

◆給与計算でお困りの場合はお気軽にご相談ください。