個人事業を法人成りする場合

法人成りとは、個人として行っていた事業を、新たに会社を設立し、会社として事業を引き継ぐことをいいます。

ここでは税務上の観点から法人成りのメリット、デメリットについてご説明します。

税務上のメリットとして

  • 一定の要件を満たす役員報酬を損金に算入でき、役員報酬は給与所得控除額を引いた残額が税金の対象になる
  • 親族に対する給与が適正な労働対価である場合、全額損金に算入することができる
  • 経営者と生計を一にする親族が給与を受け取る場合、所得要件の範囲内で配偶者控除、配偶者特別控除、扶養控除を受けることができる
  • 経営者と生計を一にする親族従業員に支払う退職金が適正な金額である場合は損金に算入することができる
  • 一定の要件を満たす経営者を被保険者とする生命保険の保険料を損金に算入することができる
  • 青色申告の場合、事業上生じた欠損金を10年間繰り越しできる

デメリットとしては、赤字の場合でも法人住民税の均等割が課税されます。

また均等割の金額は資本金等の額や従業員の数に応じて課税されます。

宮崎市に法人の事業所がある場合は最低でも法人県民税均等割21,000円と法人市民税均等割50,000円の合計71,000円のお支払いが必要です。

税務以外の観点では、法人成りのコストとしての会社設立費用(登録免許税、定款認証手数料等)や設立後も株式会社の場合は定期的に役員変更登記が必要なため、登録免許税等の登記費用が必要になります。

また個人事業の場合、従業員が5名未満の場合は社会保険に加入する義務はありませんが、法人の場合には従業員数に関わりなく社会保険への加入が義務づけられています。

この他、経営上の観点など総合的に判断して法人成りをご検討されてください。

瀬尾みき税理士事務所では、宮崎の中小事業者の皆様のお手伝いをしております。

法人成りや税金に関することなど、お気軽にご相談ください。

インボイス制度実施に関連した注意事例公表

公正取引委員会は、このほど、インボイス制度の実施に関連した注意事例を公表し、注意喚起を行いました。それは、一部の発注事業者(課税事業者)が、経過措置により一定の範囲で仕入税額控除が認められているにもかかわらず、取引先の免税事業者に対し、インボイス制度実施後も課税事業者に転換せず、免税事業者を選択する場合には、消費税相当額を取引価格から引き下げると文書で伝えるなど、一方的に通告した事例が確認されたことによるものです。

※経過措置とは、免税事業者からの課税仕入れについては、インボイス制度の実施後3年間は、仕入税額相当額の8割、その後の3年間は同5割の控除ができるというものです。

このため、公取委は、発注事業者に対し、独占禁止法上問題となるおそれがあるとして、未然防止の観点から注意を行いました。

注意した事業者は、イラスト制作業者(取引の相手方はイラストレーター)や農産物加工品製造販売業者(同農家)、ハンドメイドショップ運営事業者(同ハンドメイド作家)、人材派遣業者(同翻訳者・通訳者)、電子漫画配信取次サービス業者(同漫画作家)など多岐にわたります。

今回の注意事例の公表は、インボイス制度が本年10月1日からスタートすることに関連して、独占禁止法違反につながるおそれのある複数の事例が確認されたため、違反行為の未然防止の観点から、どういった業態の発注事業者と免税事業者との間でそうした事例が発生したかということに加え、事例を踏まえた独占禁止法・下請法上の考え方を明らかにしておくこととしたものです。

公取委は、取引上優越した地位にある事業者が、経過措置により一定の範囲で仕入税額控除が認められているにもかかわらず、取引先の免税事業者に対し、インボイス制度の実施後も課税事業者に転換せず、免税事業者を選択する場合に、消費税相当額を取引価格から引き下げるなどと一方的に通告することは、独占禁止法上問題となるおそれがあるとして、未然防止の観点から注意を喚起しています。

また、下請法上の親事業者が、同様に、経過措置により一定の範囲で仕入税額控除が認められているのに、取引先の免税事業者の下請事業者に対し、消費税相当額を取引価格から引き下げるなどと一方的に通告することは、下請法上問題となるおそれがあるとしています。

もし免税事業者で、取引先より一方的に上記のような要請があった等でお困りの場合は、中小企業庁に相談窓口が設けられていますので、まずはご相談されてください。

中小企業・小規模事業インボイス相談受付窓口

インボイス制度の実施に関連した注意事例について

インボイス制度が始まります

令和5年10月1日から、消費税の仕入税額控除の方式としてインボイス制度が開始されます。

適格請求書(インボイス)を発行できるのは、「適格請求書発行事業者」に限られ、この「適格請求書発行事業者」になるためには、登録申請書を提出し、登録を受ける必要があります。

現在、消費税の納税が免除されている免税事業者がインボイスを発行するためには課税事業者にならなければならないため、消費税の納税が発生します。

免税事業者の皆様におかれましては、「適格請求書発行事業者の登録をしたほうがいいのか」、また「登録をした場合、消費税額はどれくらいになるのか」、「登録申請書の提出はいつまでに行えばいいのか」、などといったご不安やご不明な点も多いかと思います。

そこで中小企業庁では免税事業者を対象とした『中小企業・小規模事業者インボイス相談窓口』が開設されました。

https://chusho-invoice.jp/

インボイス制度についてのご相談のほか、補助金や取引先からの代金減額・取引中止要請などについてのご相談もできるようですので一度ご相談されてみてはいかがでしょうか。

◆瀬尾みき税理士事務所では宮崎の中小事業者の皆様のお手伝いをいたします。

お気軽にご相談ください。

開業しました

税理士の瀬尾美紀と申します。

令和5年4月に宮崎市内で税理士事務所を開業しました。

宮崎県内及び近隣の中小事業者の皆様のお手伝いをさせていただきたいと思います。

令和5年10月には消費税のインボイス制度が始まります。

お気軽にご相談ください。

どうぞよろしくお願いします。