従業員に賞与(ボーナス)を支払ったときには、会社は必ず「賞与支払届(被保険者賞与支払届)」を提出しなければなりません。
賞与支払届は、賞与の支給額を提出し、保険料を納付するために必要な書類です。従業員にとって将来の年金受給額にも影響する重要な書類ですので、忘れずに手続きを行ってください。
賞与支払届はボーナス支給後、原則5日以内に日本年金機構へ提出します。
郵送のほか、電子申請や電子媒体による提出も可能です。
賞与支払い予定月における賞与支払いの事実を確認し、賞与を支給していれば賞与支払届の提出が必要ですが、支給していなければ提出書類は「賞与不支給報告書」となります。
賞与支払届の記入対象者は、役員を含めた社会保険の被保険者と、70歳以上の被用者です。アルバイトなどで社会保険に未加入の場合は、記入対象にはなりません。
事前に日本年金機構または加入している健康保険組合に登録している場合は、賞与支払い予定月の前月になると、賞与支払届が各企業に送付されてきます。被保険者番号や氏名、生年月日、種別などが印字されているので、内容を確認し、印字されていない従業員がいる場合は、手書き等で追加してください。
次に、賞与の支給額をもとに保険料を算出しますが、賞与から控除する保険料は、「健康保険料」「厚生年金保険料」「雇用保険料」の3つです。
40歳以上65歳未満の介護保険の第2号被保険者は、健康保険料に介護保険料が上乗せされます。
また、賞与からは社会保険料の他にも所得税が控除されますが、控除額の計算方法や料率はそれぞれ異なります。
煩雑になりがちな計算を効率化するには、給与計算ソフトの利用がおすすめです。
賞与支払届を提出後、「標準賞与額決定通知書」と「保険料納入告知額・領収済額通知書」が発送されます。標準賞与額決定通知書は会社で保管してください。
また、保険料納入告知額・領収済額通知書が届いた月の末日までに、保険料を納付します。通常の標準報酬月額の保険料と合わせて納付することになるため、忘れないよう注意してください。
参考:日本年金機構