個人事業主にかかる税金

個人事業主とは法人を設立せずに事業を行う人のことをいいます。

よく見かける「〇〇株式会社」や「〇〇有限会社」等が法人に該当します。法人は、自然人以外で、法律によって「人」とされているものをいい、ここでいう「人」とは、権利義務の主体となることができる資格を認められたものをいいます。

これに対して、法人を設立せずに事業を行う形態を「個人事業」といい、個人事業を行う人を「個人事業主」といいます。個人事業主として事業を始める場合には、法務局への登記は必要ありません。

最近、個人事業主のなかで、一般的に「フリーランス」と呼ばれる分類がありますが、「個人事業主」と「フリーランス」に定義上の明確な区別はなく、税務上の手続きなどにおいても特別な違いはありません。

次に個人事業主にかかる代表的な税金についてご説明します。

固定資産税は、①土地や建物などの不動産に対して課されるもの、②構築物、機械装置、工具器具備品などの償却資産に対して課されるもがあります。

②の償却資産に対する固定資産税は、毎年1月に、各市町村に対して「償却資産申告書」を提出することで課されることになります。

所得税は、個人事業主が受け取るお金に対してかかります。所得税の対象となる「所得」は10種類あり、それぞれの所得区分に応じて算出方法が異なります。

サラリーマンの給料は「給与所得」になりますので

給与所得=給与等の収入金額-給与所得控除額

個人事業主の事業所得の場合は

事業所得=事業所得の総収入額-必要経費

で求められます。

そして10種類の所得の合計額を求めたものから各種所得控除を引き、それに税率を掛けて所得税の金額を算出します。

消費税は、ある一定期間中の課税売上が1000万円を超えていれば課税事業者となり、1000万円以下であれば免税事業者となり、消費税の納税は不要です。

個人事業主は開業した時は全員免税事業者ですが、インボイスの登録をされた場合は、課税売上の金額にかかわらず、消費税の課税事業者となり、消費税を納めることになります。

個人事業主は原材料や商品を仕入れる際に消費税を支払う一方で、商品を売ったときには消費税を受け取ることになります。

基本的に、この受け取った消費税と支払った消費税の差額が消費税の納税額となります。

住民税個人事業税は、所得税の確定申告をしていればその翌年に自動的に納付書が送られてくる税金になります。

個人事業税は、個人事業主に対して課される税金で、課税所得が290万円を超える場合に納付しなければならないものです。

住民税は、会社員の場合は給与から天引きされますが、個人事業主の場合は毎年6月頃に市町村から納付書が郵送されてきますので、それを年4回にわけて納付します。

確定申告前に慌てないためにも、帳簿や領収書の整理はこまめにしておかれることをおすすめします。