合同会社は平成18年5月1日、会社法の施行によって創設された新しい会社類型です。
法務省の登記統計によりますと、2021年に設立された株式会社は95,222件、合同会社は37,072件、2022年は株式会社が92,371件、合同会社が37,127件となっており、最近では会社設立件数全体の約3割が合同会社となっています。
株式会社と対比した合同会社の特色は以下のような点が挙げられます。
- 合同会社では、出資者を社員という
- 社員は原則として業務執行権を有し、代表社員となる
- 業務執行役員、代表社員に任期の定めがない
- 合同会社内部のことは、原則として、社員全員の一致で決定する
- 合同会社には、取締役会や株主総会等の法定の機関はない
- 合同会社の定款については、公証人の認証を要しない
- 合同会社は、決算公告の義務がない
合同会社のメリットは
- 設立費用が一番安く、簡易迅速に設立できる会社
- 維持費用が一番安い会社
- 迅速な意思決定と機動的な経営ができる会社
- 出資者は出資額に関係なく、平等な発言権を有する会社、等が挙げられます。
合同会社のデメリットは、合同会社という会社の制度が創設されてまだ17年ということもあり、知名度がそれほど高くないということでしょうか。
これらのメリット・デメリットを踏まえて考えると、合同会社は次のような事業形態に適した会社であると考えられます。
- 会社の種類を前面に出さない業種
- シニアや主婦の起業
- 代表者の知名度を活用して起業する場合
- 資産管理会社等の節税を目的とした会社
- 個人で共同事業を行う場合に発言権を平等にする必要がある場合
- 親会社のネームバリューでビジネスを展開する子会社
- 数社が共通の事業を営むために設立する合弁会社など
最近では、司法書士さんへ依頼されずにご自分で合同会社を設立される方が増えているようです。合同会社を設立される際には、合同会社の特色やメリット・デメリットを踏まえてご検討ください。